奥様にはクレーシュの作者を明かした上で一組贈り、そして共同の居間の暖炉上と、ホールにも一組ずつ飾ろう、最後の一組はおまえの居間に置く。そこにおれのコジャンも一緒に住まわせてくれ、と楽しげに話していたアンドレだったが。
結局、四組のクレーシュはジャルジェ家の居間にも、ホールにも、オスカルの居間にすら飾られる事はなかった。それらはこの屋敷の年若い使用人達、特に女性陣の人気を集めたので、降誕祭の里帰りに下賜されるジャルジェ家からの贈り物の品々のひとつになったのだ。
無論四組ではとても足りず、急遽アンドレが例の親爺殿に追加注文を出した。親爺殿は値段相応の粘土を追加で仕入れ、手に余る注文に嬉しい悲鳴をあげながら対応しているところだったが、最優先で注文に応じてくれた。
しかし、期日までに用意できたクレーシュの数は若干足りなかった。そこで、この朝のジャルジェ家では、里帰り隊に持たせる贈り物分配所となった大広間で、大変な争奪戦が繰り広げられたのだった。
ワインと焼き菓子、リネン類や衣類などが所狭しと並べられている。新品あり、中古品あり。大広間は下賜品が所狭しと並べられ、使用人らの心は浮き立っていた。今年の目玉は何と言ってもクレーシュである。(作者の正体を伏せておいたのは懸命な判断だった。さもなければ争奪戦がさらに壮絶に加熱したことだろう)
神は救世主を通して絶対的な救いと愛を与える。その形のない福音を形に模した聖家族のクレーシュを見れば、自分も神の家族の一員であることを思い出せる。
だから、腹の足しにもならないただの土の塊が人の心を掴むのだ。パンをひとつ我慢しても手に入れたくなるほどに。厳しい冬越えになるからこそ、長い冬を耐え抜く支えに、家族にそれを持ち帰りたい彼らだった。
朝早くから大変な騒ぎが階下から聞こえてきたので、オスカルはひょいと大広間を覗いて見た。広間中に広げられた様々な品物の間を、十数人の侍女やら従僕やらが右往左往している。
その中で完全に頭一つ分飛び出たシルエットが何人かの侍女に取り囲まれている姿が真っ先に目に入った。そこでオスカルは広間に入ってすぐの壁に腕を組んで寄りかかり、騒ぎをしばし傍観した。
オスカルは彼が自分以外の人間に見せる表情を覗いてみたかった。恋人になるまでは、彼が自分の方を向いていることを当たり前だと思っていたので、あまり気にしたことがなく、四半世紀も一緒にいたわりにはよく知らないのだ。
昔から年齢を問わず仲間に慕われる彼だった。侍女と歓談しているくらいで危機感を覚えるオスカルではなかったが、ちょっとした怖いもの見たさはあった。
オスカルはこの大騒ぎを何となく眺めているといった素振りを装いながら、意識は彼氏に集中させた。
小柄な若い侍女がしきりにアンドレに何やら訴えていた。すっかりリラックスした様子で、まるで兄に妹が甘えているような図である。
「アンドレ、私も聖コジャンの入ったセットが欲しいわ。もう無いの?」
「悪いな、あれだけは匿名の天才彫刻家が戯れに生み出したもので、数がないんだ。ほら、天才ってのは気まぐれだから」
作り物なのが見え見えの深刻な表情で答えるアンドレに、うそばっかり~っ!と若い侍女がじゃれついている。あいつわたしをダシに遊んでいるな。オスカルは片眉をぴくりと上げた。
荷物をてきぱきと仕分けながら、明るい笑顔で仲間の召使達とタメ口を交わすアンドレがそこにいた。普段自分には深々と頭を下げ、敬語を使い、謙った態度で仕える者たちが、アンドレに対しては砕けた態度で笑っている。
アンドレは身長差を埋めるため、いちいち腰を屈めて穏やかな笑顔を見せている。そんな人に対して分け隔てなく誠実な彼の人柄が慕われるのだ。彼の女主人が好き放題に特別扱いをしても、仲間から妬まれることなく。
自分の属さない場所に自然に溶け込んでいる彼を見ると、喉の奥につんとした寂しさが沸き起こる。ここから彼を見ていると、否応無しに身分という名の確かな効力を持った境界線の存在を感じる。今更気落ちするのもおかしなものだ、我ながら子供っぽい感情だと思いながら、オスカルは、何かが体の奥底から突き上げるのを押し殺した。
身分差。
それは確かにあるのに、二人だけでいる時には瞬時に姿を消す。だとすれば、それに効力を与えているものは、他ならぬ自分の意識だろう。
そう思った途端、『あとは、幸せを感じ取る能力の問題だろうな』というアンドレの言葉が脳裏に響いて、何かがつながりそうな感じがしたが、つかみどころのないその感覚は、瞬く間にオスカルをすり抜けて消えていってしまった。
「あっ、それはだめだ」
アンドレの声でオスカルは我に返った。見れば何やら手にした小柄な侍女をアンドレが追っている。
「いいでしょう?これ私が貰っても!」
「それはな~、おれが天才彫刻家を拝み倒してやっと作ってもらった逸品だから、おれのものだ!こっちの普通のロバつけてやるから」
「うそよ、うそ!あなたにそんな知り合いが居たなんて、誰も知らないわよ」
侍女を追って向きを変えたアンドレが、入り口近くの壁に寄りかかって彼の方を見ているオスカルに気付いた。少し困ったように両手を広げ、肩をすくめて見せるアンドレに、オスカルは自分で始末をつけろ、と目で叱責する。アンドレは再び侍女に懇願を始めた。
「頼むよ、それは返してくれないかな」
「珍しいわね。あなたがモノに執着するなんて。これ、どう見たって天才と言うよりは、ぶきっちょさんが作ったようにしか見えないじゃない?でもこのおバカな顔つき、一度見たら手放せないわ。あなたはまたそのぶきっちょのお友達に作ってもらって!あ!」
アンドレがその長身を生かして、巧みに聖コジャンの奪還に成功した。
「だめだ」
「あ~ん、意地悪!第一、皆がそれ欲しがるのはアンドレが聖コジャンの話をしたからでしょ。そうでなきゃこれ、四つとも売れ残っていたわよ、まるで豚だもの」
アンドレがまずい!と危機感丸出しでオスカルを見る。オスカルはぴくりと眉を動かし、唇だけを動かした。
『この狼少年め』
素早く掌を心臓の上に置き、ちょいと反省した旨を彼女に伝えると、アンドレは目前の侍女に向き直り、改まった口調ではっきりと宣言した。
「これだけはだめなんだ。こいつは誰が何と言おうとおれのものだから、渡せない。ごめんなさい」
『誰が何と言おうとおれのものだから渡せない』
アンドレの声がオスカルの中で弾けた。大きな音をたてて、重い鎧が抜け落ちたような衝撃と共に訳の解らない強く熱い感情が、胸の奥底から突然沸き起こり、涙が溢れた。
自分の激しい反応に、自分自身でも驚いたオスカルは、とっさに踵を反し、広間から自室に戻るべく駆け出していた。視界の端にアンドレのびっくりした様子が一瞬映ったが振り返らなかった。
慌しく自室に飛び込み、後ろ手で扉を乱暴に閉じると、オスカルは暖炉前の長椅子に深く沈みこみ、両手で自分自身を抱えて息を整える努力をしてみた。胸は激しく動悸を打っている。
やるせない思いと、相反する嬉しさのような感情が両方入り混り、あとからあとからとめどなく溢れ続ける。オスカルは、そのまましばらく正体のわからない感情に翻弄されるに任せて泣いた。
『こいつは誰が何と言おうとおれのものだから、渡せない』
気がつくと、オスカルはアンドレの一言を何度も反芻していた。その都度新たな感情の波が彼女を押し流そうとする。嬉しくて、切ない。
それが単なる錯覚なのは、オスカルの一部はきちんと認めていた。アンドレが手にしていた自作の聖コジャンと自分を、思わず重ね合わせていただけだ。
しかし、自分がどんなにその一言を切望していたかを知るには十分すぎる一瞬だった。自分は彼との関係を公にできないことを、深く悲しんでいたのだ。その悲しみを彼に悟られないように無意識に自制していたのだ。自分が悲しめば恋人を苦しめるから。
愛する相手から愛される喜び。この世にこれほどまでの幸せがあるとは知らなかった。アンドレと想いが通い合った時、過去の経験全てが、この結果に辿りつくために用意されていたことを確信した。それは今でも変わらないし、形はどうであれ、生涯彼の手を離すつもりはない。
けれど…。
正式な夫婦になれないことも、愛し合う関係を隠し通さねばならないことも。想いのままに彼を見つめることさえ許されないことも、触れ合うほど近くに居ながら指先のぬくもりすら確かめることのできない長い時間も。つかの間の逢瀬すら自由にならない束縛感も。
それらは決して彼を手放す理由にはならないし、愛し合う喜びを削ぐほどの力はないが。
悲しんではいたのだ。自分でも思うよりずっと深く。悲しめば悲しむほどアンドレに負い目を追わせるような気がして、自分でも気付かないうちに封じ込め、初めから無いものとして胸の奥底に置き去りにしてしまっていたのだ。こんなにも涙を溜め込んだまま。
「何てことだ」
オスカルは声に出して呟いた。涙が止まらない。仕方ない。ちゃんと悲しむことを怠っていたのだから。
「オスカル?」
ノックと同時にアンドレの声がした。追って来てくれた。そう思うと、慌てて涙をぬぐう傍から新たな涙が溢れた。
「入るぞ」
なかなか返事を返さないオスカルに、何か異変が起きていることを察したアンドレが細く扉を開けて顔を覗かせた。
「は、入っていいとは言っていないぞ」
急いで返事をしたオスカルだったが、とっさにアンドレのほうに向き直ってしまったので涙はもう隠せない。
そんなオスカルの様子に、言葉とは別の声を聞き分けたアンドレは、断りを入れる必要はないことを知り、すっと部屋に滑り込んだ。
アンドレは躊躇なくオスカルの方に歩いて来て隣に腰を降ろすと、何も言わず、何も聞かず、ただオスカルの肩を抱き寄せた。オスカルも黙って彼の肩に頭を凭せかける。その上に彼の頭が軽く寄りかかって来た。
オスカルが密かに『魔法のポジション』と呼んでいる姿勢だった。こうやってお互いの重みを分け合って、ぬくもりを通わせていると、少々の杞憂やわだかまりはあっけなく溶解していってしまうのだった。
今回は少々と言うには、衝撃が大きかったので、オスカルは肩を抱かれたまま、暫らく静かに嗚咽していた。アンドレは何も聞かずにただそこにいた。やがて、オスカルの嵐は凪いでいった
アンドレは、肩を抱いた手を滑らせて髪の間に指を差し入れ、大切そうに彼女の頭を抱いた。そして自分の頬に押し付ける。散々泣いた後のハートは敏感で、彼の指先から、体のぬくもりから、大切に思われていることが伝わって来る。
「ごめんな、あんな騒ぎになっちゃって。確かにいい気分はしないよな、おまえの作だとバレてなくてもさ」
オスカルが落ち着くのを待って、アンドレは口を開いた。
「気を落とすなよ、おれはおまえを本当に天才だと思っている」
心地よくアンドレに身を預けていたオスカルだったが、急に現実に引き戻された。へんてこな予感がする。
「ただ少し早すぎたんだよ、才能の開花がさ。見る者の方がおまえの抜きん出た感性を理解するだけ成熟していないだけなんだ、な、ぶきっちょさん」
特大クエスチョンマークがオスカルの頭上に浮かんだ。は?わたしの才能?オスカルは横目でアンドレを見上げた。大好きな優しい笑顔が心配そうにオスカルを見つめている。それはいいのだが。
「もう100年ほど後に生まれていれば、おまえはフランスで、いや、世界中で知らない者はいない芸術家として活躍するだろうな」
めちゃくちゃとんちんかんなことを言っている。こいつはもしかしてわたしが自分の不器用さを悲観していると、先ほど自作のロバを豚と称されたことを気に病んでいるとでも思っているのだろうか。オスカルは三白眼で恋人を見上げた。
「だから、気にするな。天才ってのは最初から理解などされないもんだ」
やっぱりズレている。大の大人がそんな事で泣くか、莫迦。世界に向かって堂々と、アンドレと愛し合っていると公言したい。どんなにそれを誇りに思っているか胸を張りたい。それがわかっただけなのに。
打ち明けてみようか、と思ってすぐ、オスカルは思い直した。それよりは、このままぬくもりと重みを味わっていたい。急いですっ飛んで来てくれたアンドレは、またじきに慌てて仕事へ戻って行く。おしゃべりよりも、恋人の体温を感じていたかった。彼には勝手に誤解でも何でもさせておけば良い。
「それに、おまえの場合は絶世の美女作という付加価値が作品に加わるから、人は争っておまえの作品を求める。そうしたらどんなに世の中の物笑いの種に…」
そう言いかけて、うっと言葉を飲み込んだアンドレが、言い直した。
「世の中平和になるだろう、な?」
この狼少年め、一生言っていろ。
しかし、いくらアンドレが大風呂敷を広げようが、的を外そうが、魔法の威力には変わりがなく、じわじわとオスカルに効いてきた。この健康で真っ直ぐな魂を持つ幼馴染を、祝福されない関係に閉じ込めてしまった罪悪感が消えるわけではないけれど。
「大急ぎでおまえを追ってきたから、ごめん。おれの聖コジャンはイヴォンヌにあげてしまった。惜しかったな、おれほどあの豚の魅力を理解できる人間はいないのに」
アンドレがぼそっと呟いた。どうやら言葉通り真剣に惜しんでいるらしい。
「ロバ」
オスカルの髪を弄んでいた長い指が、その動きをぴたり、と止めた。
「ごめ…プッ!」
アンドレは謝罪しきれず、全身を震わせて笑い出した。オスカルが不貞腐れる。
「ああ、笑え、笑え、ずっとそうやって笑ってろ!」
「凄いよ、思い出しただけで笑える。おまえ天才!嗚呼、失ったものはでかかったなあ!」
アンドレは憮然としているオスカルを抱きしめて腹を震わせている。その震えを伝わって、オスカルにも笑いが流れ込んだ。
「そんなに惜しがるなら、しっかり握っていればいいものを。何故手放した?」
「そりゃあ、おまえを追う方が大事だから」
きゅ…ん!
オスカルの胸の奥が小さく鳴った。幼馴染みの恋人が、さりげなく射ってくる隠し矢は外れることを知らないのだ。
アンドレはまだくっくっと肩で笑いながら、オスカルをもう一度、きつく抱きしめ直すと、豊かな髪に顔を埋めている。
「それに、知っているだろう?イヴォンヌは春には嫁に行く。おれみたいな世界一幸福な男からはなむけを贈られた花嫁は、きっと幸せになると思わないか?」
少し身体を離して見詰め合う。何の屈託もなくそれを言えるアンドレは、正式な家族になることができないというのに。心臓の裏側を、切ない痛みが通り過ぎたが、オスカルはその痛みを受け止めた。つらくはあるが、恐れるに足るものではなかった。
オスカルの瞳に、ほんの少しだけ、悲しい色が映ったのに気付いたのか、アンドレが彼女の両頬を大きな掌で包んだ。温かい。オスカルはまじまじとアンドレの整った顔立ちを目線で辿りながら言った。
「これが、世界一幸福な男か?」
「そう、おかげで見ろ、目も鼻も口も溶けて落ちる寸前だ。あ、落ちた!」
アンドレが鼻を押さえ、身もだえて見せる。溶け落ちては大変とばかりに、オスカルは両手でアンドレの頬を押さえ、くすくすと笑いながら彼の額に自分の額をくっつけた。アンドレは、もうだめだ、見ないでくれ、とわざとらしく悶えている。
ありがとう、アンドレ。おまえが幸せでいてくれる。こんなに嬉しいことはない。わたしは弱虫だな、すまないアンドレ。
「わたしは…わたしはどうだ?幸せそうに見えるか?」
アンドレは落ちた目鼻を顔に戻すマイムをくそ真面目風にして見せてから、右の目を宝石の鑑定士のように眇めた。
「そうだな、今日のおまえは世界で一番とは言えないな。さしずめ六番目位の幸せ者かな」
六番目。とぼけているようでも恋人はオスカルの涙の訳を知っているようだった。肝心なところでは、絶対に的を外さない彼だった。
「六番目は嫌いか?」
「一番同士じゃお目出過ぎだろ?丁度いい組み合わせだよ、オスカル」
オスカルから、違う涙が溢れ出す。見られまいとすばやく彼の首に両腕を回し、少々乱暴に彼を抱いた。ついでに彼のシャツで涙も拭う。
アンドレ、アンドレ。
今はまだ色々未決のことがあり過ぎて、世界一幸せな女にはなれないけれど、もう少しだけ待っていてくれないか。長くはかからない。必ずおまえに世界一幸せな女をやろう。
その時にはまたそう言ってくれるのだろう?お目出たいベストカップルだと。それまでは、そうだ、おまえにもうひとつ聖コジャンを造ってやるからそれで我慢していてくれないか。
アンドレを抱きしめながら、オスカルは少々困ったことに気づいた。彼には是非もう一つ豚…じゃなくてまあ何でもよいのだがコジャンを贈りたかった。
が、それを造るためにオスカルが単独でパリに出掛けたことがわかれば、心配性男の健康は保障の限りではないだろう。せっかくのギフトも純粋に喜んでもらえないかもしれない。彼を同行すれば話は早いが、サプライズなしではオスカルの楽しみが半減する。
誰か内密で供をしてくれる口の堅い者を探さねばならない。それに何よりも彼に知られずに動くことなど可能だろうか。彼のアシストなしに同じものをつくることなどできるのだろうか。
「おまえは手が掛かる男だな」
「えっ?そう…か?どんなところが?」
アンドレが全く腑に落ちないといったように問い返す。オスカルはその問いには笑って答えず、彼の鼻づらを押さえてやった。
「ほら、また鼻が落ちる、気をつけろ」
「あ”」
オスカルは、少しばかりわくわくして来た。不可能そうな試みに挑戦する時のそれだ。しかもなんら仕事に関係しないミッションであることがいいではないか。人はパンのみにて生くるにあらず、か。そんな風に思うのは久しぶりだった。そっとアンドレの手を握る。この大きな掌にコジャンを乗せてやる約束の代わりに。
~FIN~
結局、四組のクレーシュはジャルジェ家の居間にも、ホールにも、オスカルの居間にすら飾られる事はなかった。それらはこの屋敷の年若い使用人達、特に女性陣の人気を集めたので、降誕祭の里帰りに下賜されるジャルジェ家からの贈り物の品々のひとつになったのだ。
無論四組ではとても足りず、急遽アンドレが例の親爺殿に追加注文を出した。親爺殿は値段相応の粘土を追加で仕入れ、手に余る注文に嬉しい悲鳴をあげながら対応しているところだったが、最優先で注文に応じてくれた。
しかし、期日までに用意できたクレーシュの数は若干足りなかった。そこで、この朝のジャルジェ家では、里帰り隊に持たせる贈り物分配所となった大広間で、大変な争奪戦が繰り広げられたのだった。
ワインと焼き菓子、リネン類や衣類などが所狭しと並べられている。新品あり、中古品あり。大広間は下賜品が所狭しと並べられ、使用人らの心は浮き立っていた。今年の目玉は何と言ってもクレーシュである。(作者の正体を伏せておいたのは懸命な判断だった。さもなければ争奪戦がさらに壮絶に加熱したことだろう)
神は救世主を通して絶対的な救いと愛を与える。その形のない福音を形に模した聖家族のクレーシュを見れば、自分も神の家族の一員であることを思い出せる。
だから、腹の足しにもならないただの土の塊が人の心を掴むのだ。パンをひとつ我慢しても手に入れたくなるほどに。厳しい冬越えになるからこそ、長い冬を耐え抜く支えに、家族にそれを持ち帰りたい彼らだった。
朝早くから大変な騒ぎが階下から聞こえてきたので、オスカルはひょいと大広間を覗いて見た。広間中に広げられた様々な品物の間を、十数人の侍女やら従僕やらが右往左往している。
その中で完全に頭一つ分飛び出たシルエットが何人かの侍女に取り囲まれている姿が真っ先に目に入った。そこでオスカルは広間に入ってすぐの壁に腕を組んで寄りかかり、騒ぎをしばし傍観した。
オスカルは彼が自分以外の人間に見せる表情を覗いてみたかった。恋人になるまでは、彼が自分の方を向いていることを当たり前だと思っていたので、あまり気にしたことがなく、四半世紀も一緒にいたわりにはよく知らないのだ。
昔から年齢を問わず仲間に慕われる彼だった。侍女と歓談しているくらいで危機感を覚えるオスカルではなかったが、ちょっとした怖いもの見たさはあった。
オスカルはこの大騒ぎを何となく眺めているといった素振りを装いながら、意識は彼氏に集中させた。
小柄な若い侍女がしきりにアンドレに何やら訴えていた。すっかりリラックスした様子で、まるで兄に妹が甘えているような図である。
「アンドレ、私も聖コジャンの入ったセットが欲しいわ。もう無いの?」
「悪いな、あれだけは匿名の天才彫刻家が戯れに生み出したもので、数がないんだ。ほら、天才ってのは気まぐれだから」
作り物なのが見え見えの深刻な表情で答えるアンドレに、うそばっかり~っ!と若い侍女がじゃれついている。あいつわたしをダシに遊んでいるな。オスカルは片眉をぴくりと上げた。
荷物をてきぱきと仕分けながら、明るい笑顔で仲間の召使達とタメ口を交わすアンドレがそこにいた。普段自分には深々と頭を下げ、敬語を使い、謙った態度で仕える者たちが、アンドレに対しては砕けた態度で笑っている。
アンドレは身長差を埋めるため、いちいち腰を屈めて穏やかな笑顔を見せている。そんな人に対して分け隔てなく誠実な彼の人柄が慕われるのだ。彼の女主人が好き放題に特別扱いをしても、仲間から妬まれることなく。
自分の属さない場所に自然に溶け込んでいる彼を見ると、喉の奥につんとした寂しさが沸き起こる。ここから彼を見ていると、否応無しに身分という名の確かな効力を持った境界線の存在を感じる。今更気落ちするのもおかしなものだ、我ながら子供っぽい感情だと思いながら、オスカルは、何かが体の奥底から突き上げるのを押し殺した。
身分差。
それは確かにあるのに、二人だけでいる時には瞬時に姿を消す。だとすれば、それに効力を与えているものは、他ならぬ自分の意識だろう。
そう思った途端、『あとは、幸せを感じ取る能力の問題だろうな』というアンドレの言葉が脳裏に響いて、何かがつながりそうな感じがしたが、つかみどころのないその感覚は、瞬く間にオスカルをすり抜けて消えていってしまった。
「あっ、それはだめだ」
アンドレの声でオスカルは我に返った。見れば何やら手にした小柄な侍女をアンドレが追っている。
「いいでしょう?これ私が貰っても!」
「それはな~、おれが天才彫刻家を拝み倒してやっと作ってもらった逸品だから、おれのものだ!こっちの普通のロバつけてやるから」
「うそよ、うそ!あなたにそんな知り合いが居たなんて、誰も知らないわよ」
侍女を追って向きを変えたアンドレが、入り口近くの壁に寄りかかって彼の方を見ているオスカルに気付いた。少し困ったように両手を広げ、肩をすくめて見せるアンドレに、オスカルは自分で始末をつけろ、と目で叱責する。アンドレは再び侍女に懇願を始めた。
「頼むよ、それは返してくれないかな」
「珍しいわね。あなたがモノに執着するなんて。これ、どう見たって天才と言うよりは、ぶきっちょさんが作ったようにしか見えないじゃない?でもこのおバカな顔つき、一度見たら手放せないわ。あなたはまたそのぶきっちょのお友達に作ってもらって!あ!」
アンドレがその長身を生かして、巧みに聖コジャンの奪還に成功した。
「だめだ」
「あ~ん、意地悪!第一、皆がそれ欲しがるのはアンドレが聖コジャンの話をしたからでしょ。そうでなきゃこれ、四つとも売れ残っていたわよ、まるで豚だもの」
アンドレがまずい!と危機感丸出しでオスカルを見る。オスカルはぴくりと眉を動かし、唇だけを動かした。
『この狼少年め』
素早く掌を心臓の上に置き、ちょいと反省した旨を彼女に伝えると、アンドレは目前の侍女に向き直り、改まった口調ではっきりと宣言した。
「これだけはだめなんだ。こいつは誰が何と言おうとおれのものだから、渡せない。ごめんなさい」
『誰が何と言おうとおれのものだから渡せない』
アンドレの声がオスカルの中で弾けた。大きな音をたてて、重い鎧が抜け落ちたような衝撃と共に訳の解らない強く熱い感情が、胸の奥底から突然沸き起こり、涙が溢れた。
自分の激しい反応に、自分自身でも驚いたオスカルは、とっさに踵を反し、広間から自室に戻るべく駆け出していた。視界の端にアンドレのびっくりした様子が一瞬映ったが振り返らなかった。
慌しく自室に飛び込み、後ろ手で扉を乱暴に閉じると、オスカルは暖炉前の長椅子に深く沈みこみ、両手で自分自身を抱えて息を整える努力をしてみた。胸は激しく動悸を打っている。
やるせない思いと、相反する嬉しさのような感情が両方入り混り、あとからあとからとめどなく溢れ続ける。オスカルは、そのまましばらく正体のわからない感情に翻弄されるに任せて泣いた。
『こいつは誰が何と言おうとおれのものだから、渡せない』
気がつくと、オスカルはアンドレの一言を何度も反芻していた。その都度新たな感情の波が彼女を押し流そうとする。嬉しくて、切ない。
それが単なる錯覚なのは、オスカルの一部はきちんと認めていた。アンドレが手にしていた自作の聖コジャンと自分を、思わず重ね合わせていただけだ。
しかし、自分がどんなにその一言を切望していたかを知るには十分すぎる一瞬だった。自分は彼との関係を公にできないことを、深く悲しんでいたのだ。その悲しみを彼に悟られないように無意識に自制していたのだ。自分が悲しめば恋人を苦しめるから。
愛する相手から愛される喜び。この世にこれほどまでの幸せがあるとは知らなかった。アンドレと想いが通い合った時、過去の経験全てが、この結果に辿りつくために用意されていたことを確信した。それは今でも変わらないし、形はどうであれ、生涯彼の手を離すつもりはない。
けれど…。
正式な夫婦になれないことも、愛し合う関係を隠し通さねばならないことも。想いのままに彼を見つめることさえ許されないことも、触れ合うほど近くに居ながら指先のぬくもりすら確かめることのできない長い時間も。つかの間の逢瀬すら自由にならない束縛感も。
それらは決して彼を手放す理由にはならないし、愛し合う喜びを削ぐほどの力はないが。
悲しんではいたのだ。自分でも思うよりずっと深く。悲しめば悲しむほどアンドレに負い目を追わせるような気がして、自分でも気付かないうちに封じ込め、初めから無いものとして胸の奥底に置き去りにしてしまっていたのだ。こんなにも涙を溜め込んだまま。
「何てことだ」
オスカルは声に出して呟いた。涙が止まらない。仕方ない。ちゃんと悲しむことを怠っていたのだから。
「オスカル?」
ノックと同時にアンドレの声がした。追って来てくれた。そう思うと、慌てて涙をぬぐう傍から新たな涙が溢れた。
「入るぞ」
なかなか返事を返さないオスカルに、何か異変が起きていることを察したアンドレが細く扉を開けて顔を覗かせた。
「は、入っていいとは言っていないぞ」
急いで返事をしたオスカルだったが、とっさにアンドレのほうに向き直ってしまったので涙はもう隠せない。
そんなオスカルの様子に、言葉とは別の声を聞き分けたアンドレは、断りを入れる必要はないことを知り、すっと部屋に滑り込んだ。
アンドレは躊躇なくオスカルの方に歩いて来て隣に腰を降ろすと、何も言わず、何も聞かず、ただオスカルの肩を抱き寄せた。オスカルも黙って彼の肩に頭を凭せかける。その上に彼の頭が軽く寄りかかって来た。
オスカルが密かに『魔法のポジション』と呼んでいる姿勢だった。こうやってお互いの重みを分け合って、ぬくもりを通わせていると、少々の杞憂やわだかまりはあっけなく溶解していってしまうのだった。
今回は少々と言うには、衝撃が大きかったので、オスカルは肩を抱かれたまま、暫らく静かに嗚咽していた。アンドレは何も聞かずにただそこにいた。やがて、オスカルの嵐は凪いでいった
アンドレは、肩を抱いた手を滑らせて髪の間に指を差し入れ、大切そうに彼女の頭を抱いた。そして自分の頬に押し付ける。散々泣いた後のハートは敏感で、彼の指先から、体のぬくもりから、大切に思われていることが伝わって来る。
「ごめんな、あんな騒ぎになっちゃって。確かにいい気分はしないよな、おまえの作だとバレてなくてもさ」
オスカルが落ち着くのを待って、アンドレは口を開いた。
「気を落とすなよ、おれはおまえを本当に天才だと思っている」
心地よくアンドレに身を預けていたオスカルだったが、急に現実に引き戻された。へんてこな予感がする。
「ただ少し早すぎたんだよ、才能の開花がさ。見る者の方がおまえの抜きん出た感性を理解するだけ成熟していないだけなんだ、な、ぶきっちょさん」
特大クエスチョンマークがオスカルの頭上に浮かんだ。は?わたしの才能?オスカルは横目でアンドレを見上げた。大好きな優しい笑顔が心配そうにオスカルを見つめている。それはいいのだが。
「もう100年ほど後に生まれていれば、おまえはフランスで、いや、世界中で知らない者はいない芸術家として活躍するだろうな」
めちゃくちゃとんちんかんなことを言っている。こいつはもしかしてわたしが自分の不器用さを悲観していると、先ほど自作のロバを豚と称されたことを気に病んでいるとでも思っているのだろうか。オスカルは三白眼で恋人を見上げた。
「だから、気にするな。天才ってのは最初から理解などされないもんだ」
やっぱりズレている。大の大人がそんな事で泣くか、莫迦。世界に向かって堂々と、アンドレと愛し合っていると公言したい。どんなにそれを誇りに思っているか胸を張りたい。それがわかっただけなのに。
打ち明けてみようか、と思ってすぐ、オスカルは思い直した。それよりは、このままぬくもりと重みを味わっていたい。急いですっ飛んで来てくれたアンドレは、またじきに慌てて仕事へ戻って行く。おしゃべりよりも、恋人の体温を感じていたかった。彼には勝手に誤解でも何でもさせておけば良い。
「それに、おまえの場合は絶世の美女作という付加価値が作品に加わるから、人は争っておまえの作品を求める。そうしたらどんなに世の中の物笑いの種に…」
そう言いかけて、うっと言葉を飲み込んだアンドレが、言い直した。
「世の中平和になるだろう、な?」
この狼少年め、一生言っていろ。
しかし、いくらアンドレが大風呂敷を広げようが、的を外そうが、魔法の威力には変わりがなく、じわじわとオスカルに効いてきた。この健康で真っ直ぐな魂を持つ幼馴染を、祝福されない関係に閉じ込めてしまった罪悪感が消えるわけではないけれど。
「大急ぎでおまえを追ってきたから、ごめん。おれの聖コジャンはイヴォンヌにあげてしまった。惜しかったな、おれほどあの豚の魅力を理解できる人間はいないのに」
アンドレがぼそっと呟いた。どうやら言葉通り真剣に惜しんでいるらしい。
「ロバ」
オスカルの髪を弄んでいた長い指が、その動きをぴたり、と止めた。
「ごめ…プッ!」
アンドレは謝罪しきれず、全身を震わせて笑い出した。オスカルが不貞腐れる。
「ああ、笑え、笑え、ずっとそうやって笑ってろ!」
「凄いよ、思い出しただけで笑える。おまえ天才!嗚呼、失ったものはでかかったなあ!」
アンドレは憮然としているオスカルを抱きしめて腹を震わせている。その震えを伝わって、オスカルにも笑いが流れ込んだ。
「そんなに惜しがるなら、しっかり握っていればいいものを。何故手放した?」
「そりゃあ、おまえを追う方が大事だから」
きゅ…ん!
オスカルの胸の奥が小さく鳴った。幼馴染みの恋人が、さりげなく射ってくる隠し矢は外れることを知らないのだ。
アンドレはまだくっくっと肩で笑いながら、オスカルをもう一度、きつく抱きしめ直すと、豊かな髪に顔を埋めている。
「それに、知っているだろう?イヴォンヌは春には嫁に行く。おれみたいな世界一幸福な男からはなむけを贈られた花嫁は、きっと幸せになると思わないか?」
少し身体を離して見詰め合う。何の屈託もなくそれを言えるアンドレは、正式な家族になることができないというのに。心臓の裏側を、切ない痛みが通り過ぎたが、オスカルはその痛みを受け止めた。つらくはあるが、恐れるに足るものではなかった。
オスカルの瞳に、ほんの少しだけ、悲しい色が映ったのに気付いたのか、アンドレが彼女の両頬を大きな掌で包んだ。温かい。オスカルはまじまじとアンドレの整った顔立ちを目線で辿りながら言った。
「これが、世界一幸福な男か?」
「そう、おかげで見ろ、目も鼻も口も溶けて落ちる寸前だ。あ、落ちた!」
アンドレが鼻を押さえ、身もだえて見せる。溶け落ちては大変とばかりに、オスカルは両手でアンドレの頬を押さえ、くすくすと笑いながら彼の額に自分の額をくっつけた。アンドレは、もうだめだ、見ないでくれ、とわざとらしく悶えている。
ありがとう、アンドレ。おまえが幸せでいてくれる。こんなに嬉しいことはない。わたしは弱虫だな、すまないアンドレ。
「わたしは…わたしはどうだ?幸せそうに見えるか?」
アンドレは落ちた目鼻を顔に戻すマイムをくそ真面目風にして見せてから、右の目を宝石の鑑定士のように眇めた。
「そうだな、今日のおまえは世界で一番とは言えないな。さしずめ六番目位の幸せ者かな」
六番目。とぼけているようでも恋人はオスカルの涙の訳を知っているようだった。肝心なところでは、絶対に的を外さない彼だった。
「六番目は嫌いか?」
「一番同士じゃお目出過ぎだろ?丁度いい組み合わせだよ、オスカル」
オスカルから、違う涙が溢れ出す。見られまいとすばやく彼の首に両腕を回し、少々乱暴に彼を抱いた。ついでに彼のシャツで涙も拭う。
アンドレ、アンドレ。
今はまだ色々未決のことがあり過ぎて、世界一幸せな女にはなれないけれど、もう少しだけ待っていてくれないか。長くはかからない。必ずおまえに世界一幸せな女をやろう。
その時にはまたそう言ってくれるのだろう?お目出たいベストカップルだと。それまでは、そうだ、おまえにもうひとつ聖コジャンを造ってやるからそれで我慢していてくれないか。
アンドレを抱きしめながら、オスカルは少々困ったことに気づいた。彼には是非もう一つ豚…じゃなくてまあ何でもよいのだがコジャンを贈りたかった。
が、それを造るためにオスカルが単独でパリに出掛けたことがわかれば、心配性男の健康は保障の限りではないだろう。せっかくのギフトも純粋に喜んでもらえないかもしれない。彼を同行すれば話は早いが、サプライズなしではオスカルの楽しみが半減する。
誰か内密で供をしてくれる口の堅い者を探さねばならない。それに何よりも彼に知られずに動くことなど可能だろうか。彼のアシストなしに同じものをつくることなどできるのだろうか。
「おまえは手が掛かる男だな」
「えっ?そう…か?どんなところが?」
アンドレが全く腑に落ちないといったように問い返す。オスカルはその問いには笑って答えず、彼の鼻づらを押さえてやった。
「ほら、また鼻が落ちる、気をつけろ」
「あ”」
オスカルは、少しばかりわくわくして来た。不可能そうな試みに挑戦する時のそれだ。しかもなんら仕事に関係しないミッションであることがいいではないか。人はパンのみにて生くるにあらず、か。そんな風に思うのは久しぶりだった。そっとアンドレの手を握る。この大きな掌にコジャンを乗せてやる約束の代わりに。
~FIN~
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COMMENT
マライアキャリーの名曲を
念頭に読ませていただきました♪
そんな昔の作品と思えない…原作と
同じです、もう感動しました。
アンドレを世界一幸せな男にした
オスカルさまの功績は大きいですね♡
オスカルさまの密やかな哀しみを
そっと掬い上げるアンドレの優しさ。
思い合う2人の愛情の美しさ。
彼らのクレーシェが皆を幸せにし、
そのことに喜びを感じる彼らの温かさが
ステキすぎます。
この後、オスカルさまのミッションは
成功したのか、やはりアンドレが察知したり一人で動く(私の妄想ではこういう時には供はアランの出番です(笑))心配したり、焼きもちを妬いたりする3次的妄想まで
してしまいました(^^;
心暖まるお話、ありがとうございます。
私も彼らのクレーシュ、欲しい、欲しい、欲しいです!
念頭に読ませていただきました♪
そんな昔の作品と思えない…原作と
同じです、もう感動しました。
アンドレを世界一幸せな男にした
オスカルさまの功績は大きいですね♡
オスカルさまの密やかな哀しみを
そっと掬い上げるアンドレの優しさ。
思い合う2人の愛情の美しさ。
彼らのクレーシェが皆を幸せにし、
そのことに喜びを感じる彼らの温かさが
ステキすぎます。
この後、オスカルさまのミッションは
成功したのか、やはりアンドレが察知したり一人で動く(私の妄想ではこういう時には供はアランの出番です(笑))心配したり、焼きもちを妬いたりする3次的妄想まで
してしまいました(^^;
心暖まるお話、ありがとうございます。
私も彼らのクレーシュ、欲しい、欲しい、欲しいです!
まここさま、マライア・キャリーの一曲、わたしも大好きです。カラオケで歌ったりするくらい♡
>思い合う2人の愛情の美しさ。
あのですね、私まここさまの受け取り方がいつも美し感じ入る感じ入るのです。すっと素直にきれいに読んで下さって、本当に有り難うございます。
>焼きもちを妬いたりする3次的妄想
それそれそれ!どこかで見れませんかね
是非みたいです!何とかお願いしますよ♡
私もOAが作ったクレーシュなんてものがったら家宝にします!
>思い合う2人の愛情の美しさ。
あのですね、私まここさまの受け取り方がいつも美し感じ入る感じ入るのです。すっと素直にきれいに読んで下さって、本当に有り難うございます。
>焼きもちを妬いたりする3次的妄想
それそれそれ!どこかで見れませんかね
是非みたいです!何とかお願いしますよ♡
私もOAが作ったクレーシュなんてものがったら家宝にします!
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