いのち謳うもの6

2018/08/26(日) 原作の隙間1762~1789


音楽ホールから聞き覚えのない女性の声がする。一瞬、デュポールはそんな錯覚に襲われた。それが次期当主の歌声であることに思い至るまでにいくらも時間はかからなったものの、老人はしばし我を忘れて立ち尽くした。

普段聞き慣れた凛々と歯切れの良い話し声より幾分高い音色は、成熟した女性が持つ艶やかな色香を放っていたのだ。

最初の数小節こそ迷うようにアンドレに僅か遅れていたが、すぐに意を決したのだろう、オスカルの声は力強い声量でアンドレと唱和した。子供の頃と比ぶべくもない完成された男女の声は、重なると不思議なほどひとつに調和した。

ともすれば下世話っぽくなりがちな流行歌特有の甘い歌詞とメロディはびろうどの女声に品格を与えられ、アンドレの伸びの良いバリトンと重なるとそこから愛が零れ落ちるようだ。音の通り道に金砂の星屑が降り注ぐように。

ジャルジェ夫人の就寝前の飲み物を下げて来たセシルが音に気付いてホールに入って来た。

ワゴンを廊下に置いたまま目を丸くしたものの、躾の行き届いた侍女らしく一言も発することなくデュポールを見、そしてじきに声の主に気が付くと思わずもれそうになった驚きの声を抑えるように両手で口元を覆った。

デュポールは微笑んで頷くと、『まあ、座りなさい』と手振りで大階段を指した。セシルはジャルジェ家勤務特権二曲まで、となる規則を知る古い使用人だった。

いつまでたっても自室に戻る気配のない主人の様子を伺いに来たオスカル付き侍女のマルタも姿を現した。耳にしたデュエットには驚いた様子を見せたが、一瞬で状況を察したのだろう。

デュポールに目で確認を取るとその場で静かに聴きの姿勢に入ったが、幾らもたたないうちにそっとハンカチで涙をぬぐった。

音色に引かれて古い規則を知らない照明係のアナとリネン管理係のシルヴィも顔を見せた。もの言いた気な二人に気づいたデュポールは大きく身振りで静粛を求め、座るように促した。

5人の聴衆を得たのち、音楽ホールから聞こえる恋歌はシンプルな歌詞を二度繰り返してからフォルテピアノが主題を追いかけて終わった。

二人のデュエットが甘い余韻を残して消えたところで、デュポールは訳が分からないながらも歌にくぎ付けになっているアナとシルヴィに小声で簡単に説明をしてやった。古参の侍女二人は座り込んだ大階段の三段目から立ち上がるどころか放心したままだ。

街の酒場で歌われる他愛のないラブソングであるはずなのに、揺さぶられた心の震えが止まらないのだ。

規則では二曲を聞いたら仕事に戻らねばならない。あともう一曲猶予があるはずだが、音楽ホールにいる幼馴染主従はまた何やら話が弾んでいる様子である。いつ始まるとも知れない次の曲を待っているわけにもいかないだろう。

セシルは何とか立ち上がり、オスカル付きのマルタに『あなたはもう少し待ってみたら?』と身振りで伝え、ジャルジェ夫人の就寝支度を手伝うために名残惜しそうに振り返りながらホールを後にした。

            
「楽しいな。こんなお仕置きならもっと前からしておくべきだったな」
オスカルが悪戯っぽい笑顔を見せた。

「俺に?これはおまえへのお仕置きタイムだと思ったが」
「おまえにも。おまえが悪さをしでかす度にこうすれば良かった」

うーん、と両腕を天井に向けて背筋を伸ばすオスカルに深い意図は無かった。歌に限らずもっと早くに自分の心に素直になれば良かったと小さな痛みを伴う悔いがオスカルの唇から漏れただけだったのだが。

「俺、死ぬまでさえずっても許してもらうには足りないんじゃないか?」

別の意味に捉えた恋人がどぼんと後悔の沼に落ちる音が聞こえた。過去の過ちが彼の心に残した傷はことのほか深い様子だ。

「おいおい、勘違いするな。わたしはおまえを許すことなど出来ないぞ」
オスカルは慌てて恋人を引っ張り上げようとしたが、言葉が足りなかった。
「えっ?そ、そう?」

軽くパニックを起こした恋人は頭を抱えた。彼女はその様子をやれやれと愛しそうに眺め、彼の肩に肘をかけると、主旨を解説してやった。

「いいか、わたしはそもそもおまえを憎むことが出来ない。だから許しようがない。許す対象がないから許し自体存在し得ないのだ。面白おかしくこういうお仕置きでもしておけば十分だった。その場でちゃんと言えなくて悪かったな」

恋人は何がなんやら唖然とした。それは、あの時とかこの事とか例の事件なんかも含めちゃっていいのでしょうか?とたちまち顔に文字が浮き上がる。

そんな恋人の頬をオスカルは両手で挟んだ。大きななりの男が眉尻を下げて上目遣いする様子は、叱られることを察知して尻尾を股の間に挟んだ賢い猟犬のようだ。オスカルの唇に笑みが浮かぶ。

「わたしは初めからおまえを愛していたからな。年代によって愛の形が変化したからさぞ分かりにくかっただろうが」

初めからおまえを愛していた?気持ちが瞬時に上昇した恋人は、またまたわかりやすく反応した。

この恋人は、確かベテランの域に入ったプロフェッショナル従者ではなかったか?主がどんな奇行をやらかしても、策謀や愚行を見聞きしても、表情一つ変えずに存在を消すことも最善に補佐することもできるはずの。

やっぱりおまえはシンプルなやつだ、とオスカルの唇からつぶやきが聞こえたがそれどころではない。見えない瞳を大きく見開いてしどろもどろに問い返す。

「愛の…形?」
仕方ない。ちょいと恥ずかしいが正直に解説してやろう。オスカルの瞳が柔らかく緩んだ。

「わたしはおまえに都合よく甘え、わたしの望む形で愛を与えられることばかりを望んだろう?今思えば全て未熟な愛の形だった。おまえは過去に過ちを犯したと思っているだろうが、それもまた未成熟な愛の形だ。

今のわたしにはその奥に広がる不動の愛しか見えないのだよ。だから、許す対象など存在しないのだ」

アンドレはオスカルの言葉をひとつひとつ、食い入るように聞いていた。我が恋人が唇に乗せる愛の言葉は、なぜ何度聞いても初めてのように心に染みるのだろう。

返す言葉など見つからない。そこで、言葉の代わりにオスカルの両手の上に自分の手を重ね包み込むと、全ての指先を大切に口元へ運び、言い表せない胸の内を注ぎ込むように恋人の指先にくちづけた。

「怒りはする。だが、一説によると怒りと愛は同じ部屋に住んでいるらしいぞ。ここの中で」
オスカルはそう言って微笑むと、アンドレの胸に軽く拳を当てた。

「そ…うか。やっとおばあちゃんの俺への仕打ちの意味がわかった…ぞ」

すっかり感動した体の恋人は不明瞭な返事をやっともごもごと返した。顔を見ればすでに泣き笑いだ。おばあちゃんにかこつけて、実はお嬢様にどやされ引きずり回された少年時代のことを言っています、とまた本音がちゃんと顔に出ている様子が可笑しい。

「今まで他人にばかりおまえの歌声を聞かせてしまったのが口惜しい、とも言うな」

きっと素晴らしく美しい笑顔を見せてくれているのだろう。アンドレは心に映るオスカルの微笑を見た。オスカルがこんな風に素直に自分の心の内を語る時はいつも例えようもないほど美しいのだ。

怒りまくる姿が美しいのもそのせいだ。あれこそ究極的に素直な姿だから。対する自分は世界一だらしなく蕩けた顔をしているに違いない。

「これからはおまえのために歌うよ。こんなのでいいなら」
「こんなの、と言うな。おまえには音楽の才能がある。わたしはそれを生かすということに思い至らなかったんだ。自分のことで精一杯だった」

ふと、オスカルの笑顔が曇ったことが触れ合う指先の感覚から感じられた。

「そんなこと…」
「おまえが孤児になった時、マリー・アンヌ姉の家に引き取られる予定だった事を知っているか?」

雲行きが変わったようだ。今度はオスカルが思い切って告白してしまおうと言わんばかりの勢いでアンドレに畳みかける。

「え?急に何を言い出すんだ。おふくろが無事出産していたら、マリー・アンヌさまのご長男の乳母として勤める予定だったことは知っているよ。俺も赤ん坊も連れて来て良いという破格の申し出だった」

いきなり大昔の話をふられたアンドレは慌てて記憶の底を掘り返す。突然話が飛ぶのには慣れているものの、数十年単位となると頭の回転がついていかない。

「それだけではないんだ。おまえが孤児になった時、マリー・アンヌ姉はおまえひとりだけでも引き取りたいと申し出たそうだ」
「え?そ、そうなのか?」

としか言いようがないではないか。そんな大昔の話をいきなりこのお嬢様は。

「おまえの母が我が家で侍女をしていたときから仲が良かったらしいからな。もし、おまえが姉の家に引き取られていたら、おまえにはきっと音楽の教育が施されていたはずだ」

ああ、成る程。そこが引っ掛かったのか。アンドレにはだんだん恋人の思惑が見えて来た。

「…マリー・アンヌさまは確かに音楽家のパトロンとして人材育成に情熱を持っていらっしゃるが…」

「姉なら必ずおまえの才能に気付いたはずだ。そしてすでに成人だったから、わたしとは違って保護者としておまえを見る。

そして、嬉々としておまえの教育に熱を上げたに決まっている。子供だったわたしにはおまえの才能を育てるという視点はなかった」

「あったら怖いよ、そんなもの」
あらゆる意味で、と続けようとしたアンドレをオスカルは気迫で黙らせた。
「黙れ」

マロン・グラッセがオスカルと孫の扱いに差をつけねばならない立場であることは、孤児になったばかりのアンドレにとって過酷なのではないか、年齢の近いオスカルとアンドレがマロン・グラッセの愛情をめぐって対立するのではないか。

そんな心配したジャルジェ夫人が一度はマリー・アンヌのところへ遺児を託すこと考えたこと。しかしオスカルがアンドレをジャルジェ家で引き取ることを強く望んだため、最終的には夫人がオスカルの意思に沿ったことをオスカルは語った。

「わたしは意地になっていた。我が家におまえを迎えたら、おまえが不幸になるという考えが気に入らなかった」
「それは助かったよ」

「おまえのためじゃない。わたしがばあやを独り占めするために気の毒な子供を締め出すような人間ではないことを証明したかったんだ」
「うん、いいじゃないか。おまえらしい」

何だか妙な流れになって来た。今度はオスカルが懺悔の意味合い込めて告白している。すっかり落ち着いた方の恋人の反応はやたら軽くなったが、逆にオスカルの方は心に留め置いていた感情が出口を見つけ、止まらなくなった。

「おまえがマリー・アンヌ姉のところへ引き取られていれば、音楽教育を受け、おまえの好きな文学や詩作を学び、今頃は歌手か作家で大成功をおさめ、し…失明することもなく、家族を持って幸せな人生を送っていたかも知れないのに、わたしが意地をはったせいで…!」

最後はそことそこが繋がるのか、とアンドレは合点がいった。まあ、吐き出してしまえばすっきりするだろう。
「もっと幸せになりましたとさ」

形勢はすっかり逆転していた。
確かにそんなことがあったのかも知れない。しかしオスカルの目の前にいる恋人には大したことではなかったようだ。むしろ。

「わかったぞ。だからおれはおまえの意地っ張りが好きなんだ」

額と額をこつんと合わせ、この上なく幸せそうな最終通告が宣告され、懺悔合戦はあっさり終了した。

生まれつきの特性を生かした教育を受けていたらとか、失明しなかったらとか、軽く流してしまうには重い仮説ではあるけれど、アンドレにとって、今この時の珠玉の幸せと引き換えになるものがあるはずはない。

「もう一曲いってみようか」
 
幸せなのだ。今何がなくてもあっても。どんな不足や悲しみが混じっていたとしても。

100パーセント混じりっ気のない完全な幸せが存在するとしたら、それは神の領域だ。コインの裏表のように人間の幸せと悲しみは不可分であるならば、人間らしくいることを嘆いて何になる。

今この瞬間がどれほど幸せであるか、言葉にするより歌に託して伝えてみよう。アンドレは再び鍵盤に指を乗せた。

「メロディを覚えたらまた伴奏つけてくれないか?」


  ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪

メロディに伴奏をつけてくれというリクエストに応えてやったら、今度はこれが俺の気持ちだからと耳元で歌われた歌詞は反則だった。まるでオスカルの病を知っているかのような詩は、それでも尚、出会えた幸せを歌い上げる。

「今度は一緒に、オスカル。おまえも同じように想ってくれているなら」
同じように想うも何も、共に過ごす時間も、家庭も、当たり前の幸せを何一つ恋人に与えてやれないオスカルが唯一与えられるものは、溢れるばかりの愛だけだ。

そして恋人はそれだけで充分に満たされるのだと言う。

「一緒にお願い」

今にも涙腺が決壊してしまいそうだった。ああ、だけど。恋人が駄々っ子のように繰り返すこのささやかな願いを聞いてやれないなんて、天が許してもこのオスカルさまは許さない。願わくば涙に邪魔をされぬよう、神よ、涙腺が決壊するまでに今しばらくの猶予を与えたまえ。

「わたしはかなり恥ずかしいのだぞ。分かっているか」
「何を今さら。俺らに隠したい恥なんて残っていたっけ?」
「ガラでもない、と言っている!」
「それは単なる思い込み」

オスカルは強気な態度で涙を堪えた。

「わたしがこんな甘党な詩を歌ったら、ジョークにしか聞こえんぞ」
「ジョークに聞こえたとしたら、耳の方がおかしいのさ。さあ」

アンドレは歌い始めた。オスカルはピアノと声で後を追いかける。次第にタイミングが合って来ると、二人の頭からあらゆる思考が消え、ただ音の振動に身をまかせる心地よさを味わう事以外に何も考えられなくなった。



心に残る人
おまえこそが
忘れ得ぬ人
遠く離れてしまっても
そばにいても

僕の終わらない
愛の歌のように
君への愛が
この僕を創った
こんなにも愛しい人が
この世界にいたとは

忘れられない人
どんなときでも
いつまでも
どこまでも
君は僕の中に住む
不滅の人

愛しい君よ
なんて素晴らしいんだ
僕の忘れられない君にも
忘れ得ぬ人がいる
それが僕だなんて
忘れられない
それはおまえ
忘れられない
遠く離れてしまっても
そばにいても

わたしの終わらない
愛の歌のように
おまえを愛したから
いまのわたしがいる
こんなにも愛しい人に
この世で会えるとは

心に刻まれた人
あらゆるかたちで
いつまでも
どこまでも
おまえはわたしの中で
永遠に生きる

愛しい人よ
なんて素晴らしい
わたしの忘れ得ぬおまえが
永遠に心に想ってくれる
このわたしを

*ややベル意訳♪
Unforgettable→ 
ナタリー・コール/ナット・キング・コール盤  英歌詞付き
有名な亡き父と娘のヴァーチャルデュエット



   ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪   


廊下を速足で歩きながらセシルは不安な胸を押さえた。幼かった二人の子供の姿が鮮やかに記憶の底から蘇る。この胸に渦巻く落ち着かないものは懐かしさ?愛らしかった黄金のペアが大人になっても尚、その絆を温め育てている姿への感慨深さ?

いいえ、それだけではない妙な胸騒ぎがする。これは一体何だろう。デュポールさんも同じ感覚を得たのではないだろうか。だから、誰もが忘れていた昔の規則など持ち出して、使用人の手を留めたりしたのではないだろうか。

名状し難いいたたまれなさ。いけない、奥様の前で顔に出しては。セシルが自分の両ほほをぴたぴたとお叩いて侍女の顔を取り戻そうとした、その時だった。息を切らしたデュポールが追って来た。

「セシル!待ってください」
「執事さん…!」

はあはあと大きく肩を上下させながらデュポールは両手を両ひざに置いて、皺だらけの顔だけをセシルに向けた。

「お…奥様を音楽ホールへお呼びしてください。奥様にはどうしても聞いていただかねば。奥様の寝支度はこれからですね?」
「え、ええ。奥様がお望みになればお連れしますけれど」
「では早く!お望みになれば、ではなく是非ともお連れするのです」

彼の情の深さを物語る深く刻まれた笑い皺のせいで一見微笑んでいるように見えるが、温和な執事にしては珍しく強引な姿勢だ。

「わかりました。でも果たしてオスカル様はもう一度なりともお歌いになられるのでしょうか」
「わたくしがオスカルさまにお願い申し上げます。奥様のために一曲ご披露くださいと」
「えっ?」

ジェルジェ家はヴェルサイユに居を構える格式高い家柄にしては、主従関係がフランクで家族的なことでは群を抜いているけれど、それにしても!セシルは驚愕に目を見張った。

長くジャルジェ家に仕えて初めて見る老執事の職務逸脱行為だ。

礼儀として誰ひとり一言も口に出さないが、主だった使用人は黄金ペアが関係性を変化させたことを察している。二人の性質からすると、表向きの主従関係をこれからも完璧に演じながら、ひそかに水面下で愛を育むのだろう。

これほどの絆が、純愛が隠され続けなければならないなんて悲し過ぎる。祝福されることもなく、子を持つことも許されず、ひたすらその身にかかる責任を果たし続けるだろうオスカルさま。

長時間にわたる激務から離れたほんのわずかな大切なひと時を過ごしているオスカルさまにお声をかける?お願いする?そんなばかな。私たち使用人の役割は、この貴重な時間をお守りすることでなくて何なのだ。

セシルの口に出せない抗議を執事は簡単に読み取った。

「セシル、あなたの考えていることはわかります。ええ、大変に差し出た非常識な振る舞いです。ですが、勤続50年の私の第六感でしょうか。それがそうしろ、と命ずるのです。

ここで常識の声に従ってしまったら必ず後悔します。オスカルさまはまた新しい曲を合わせていらっしゃいますが、これは是非とも奥様に聞いて頂かねばなりません。

わたくしはこれからオスカルさまに奥様をお連れする旨をお伝えして、一曲だけでもお聞かせ下さるようにお願い申し上げて来ます。

マルタにはマロンを連れて来るように言いつけました。他にも聞きたい者はホールに集まるよう伝えてください。服装は問いませんから外働きの者もそのままで結構です。頼みましたよ!」

これもこの上品な老執事には珍しいことであったが、デュポールは一息でまくし立てると呼吸を整える間もなく音楽ホールへ急ぎ戻って行った。

何が経験豊富な執事にあそこまで言わせるの?セシルは不安に高まる胸を宥めながらジャルジェ夫人の部屋へ急いだ。

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