ジャルジェ家始まって以来のハチャメチャな一夜が明けた。居並ぶご先祖様がたの肖像画がショックで床に落ちなかったのが不思議なくらいの大騒乱だった。首謀者はジャルジェ家の末娘。一言で語るなら、囲いになど入るか!と邸内で野生馬が暴れまくったような一夜であった。
国王陛下の覚えめでたき、泣く子も黙る(暴れる子は黙らないことが証明されたばかり)近衛連隊総司令官ジャルジェ将軍は、自邸宅の大階段上からエントランスホールを見下ろしていた。
花台は倒れ、絵画は傾き、タピストリーは床でとぐろを巻き、階段からホールにかけて敷き詰められたカーペットは波打ちめくれ上がり、花々の残骸や燭台が散乱する中にはなぜか婦人物のハイヒールやペチコートとおぼしき布の塊が落ちている。
そこここで片付けに忙殺されている使用人の姿が見えるが、中にはあまりの惨状に放心状態で立ち尽くしている者さえいる。
将軍は波打つカーペットに足を取られないよう階段を降り、ホールに続くボールルームに足を踏み入れた。舞踏会場となったそこはさらに惨憺たる有様だった。テーブルはなぎ倒され、クロスや銀器、料理の残骸と薔薇の花びらで床は埋まっていた。
そこでも片付け作業に取り組んでいる使用人が数人、絶望感を漂わせている。
「あ、帰って来てくれたのね、アンドレ!早く手伝って!」
背後でオスカル付きの侍女、マルタの声がしたので振り返るとボールルームの西入口から長身の青年が驚愕した表情で広間に足を踏み入れようとしていた。いつものお仕着せではなく、簡素な上着を着ている。朝帰りのようだ。
将軍は訝った。主人である自分よりも、娘へ徹底した忠義を尽くしている男のことだ。当然娘の片棒を担いでいるかと思いきや、朝帰りだと?娘は単独犯だった?
アンドレの驚き様は、将軍の推測が正しいこと物語っている。そう言えば、昨昼頃からこの男の姿を見なかったことを将軍は思い出した。
「マルタ、これは一体・・・?」
「話は手を動かしながら。ほら、早く!」
アンドレはのろのろと上着を脱ぎ、シャツの腕まくりをしながらあたりを見回し呆然としている。
「何をしでかした、オスカル・・・。これでは舞踏会じゃなくて武闘会だ」
その通り。暢気に駄洒落ている場合ではないぞ、アンドレ。あのじゃじゃ馬は儂に武器を使わぬ闘いを挑んできたのだ。守り役怠慢だぞ。
じゃじゃ馬の忠実な従者は将軍の心の声が聞こえたように振り向いた。はっと目を見開いて、さも申し訳なさそうに頭を下げる従者の様子に将軍は確信した。今回のことに『限っては』、こいつは確実にシロだ!
クロであるよりシロである方が驚きだとは。娘が父の命令を無視するならば、従者もそれに倣うことが常套化している証拠だ。つまり将軍と従者間の主従関係は事実上崩壊している。
と、いう問題を将軍は無意識に脇に置いた。娘と従者のペアがこれまでに積み重ねた業績は王家からの信頼を確固たるものにしてくれたからだ。お陰で娘を軍人に育てた酔狂者と評された将軍家の名誉は見事に挽回されたわけで。
立役者に下手に突っ込めば、虎の尾を踏むことになる。
さてさて。将軍のプライドに関わる重要な問題を脇におくことで、次なる疑問が浮かび上がった。
なぜオスカルは従者を蚊帳の外に置いたのだ。おかげで、この大惨事だ。あの男が共犯者であってくれた方が、我が娘の単独行動よりも、格段に被害が少ない形で目的を果たすことができたろうに。
いや、目的を果たされるのは困るが。
将軍は考えた。自覚している以上に娘が頼りにしている片腕の男を使わなかった理由。そこに必ず娘をやり込める突破口があるに違いない。
おのれオスカル。このままでは済まさんぞ。将軍は逆襲を誓った。
***
朝のお茶は夫人が手ずから入れてくれた。使用人は総出で邸の片付け中であり、執事デュポールは招待客に詫び状をしたためるのに忙しいからだ。将軍は妻に探りを入れた。
「アンドレをさっき見かけたが、オスカルはまだ邸におるのか?」
「そのようですわ」
「ばあやは?」
「かわいそうなほど恐縮していました。あとであなたからも労って差しあげてくださいな」
「ふむ、ばあやは知っておったか」
「オスカルの衣装のことは知っていたみたいですわね。ぎりぎりまで止めようとしたらしいですから、どうかお咎めなさらないでくださいね」
「うむ、咎めるつもりはないが、ばあやが知っていたならアンドレも知っていたろうに、なぜあいつはオスカルを諫めなかったのだ」
「あら、アンドレは全く知らなかったはずです」
夫人はさらりと断言した。その確信度は何だ?ぐいと身体を乗り出す将軍にはわからぬよう、夫人はそっとため息をついた。容易に察しはつくではないか。オスカルがこの件にアンドレを巻き込むなんて無体なことをするはずがない。
強引に進めた縁談に、娘が反発することは想定内だったが、鬼気迫る徹底抗戦の構えは想定を超える激しさだった。それが夫人にあることを思い出させる。幼い頃の娘の姿だ。
『アンドレを侮辱するやつはぼくが許さない!』
平民の子供を連れ歩くオスカルを揶揄したくも、勇気に欠ける良家の子息がよく取った手段。それは立場上抵抗できないアンドレを標的にした陰湿ないじめだったのだが、それを知った幼い娘の反撃は凄まじかった。
おかげであちこちのお宅から出禁をくらい、ねちねちと陰口をたたかれた。貴族同士のつまらない確執が夫の足を引かぬよう、鎮火のためにいろいろ根回しをしたりして結構大変だったのだ。
そんなことはつゆ知らず、『そうか、やっつけたか!よくやった息子よ!』と無邪気に喜んでいた夫のことまでついでに思い出してしまい、今更ながら腹が立つ。
田舎で育った純真さを残した当時の自分は、夫のサポートは妻の勤めとばかりに影で献身したのだ。振り返れば健気にも程があり過ぎだった。しかし、今それを蒸し返せば、情報量が夫の手に余る。今は娘の将来のことに集中すべきと夫人は耐えた。
婿取り舞踏会をぶっ潰した娘の姿と、アンドレを庇った幼い娘の姿が重なる。困ったことに、破壊威力だけは凄まじい大人バージョンが発揮されたが。そう育てたのは夫だから本望であろう。
血のにじむような30年近い研鑽を無碍にされ、女に戻れと命じられた怒りは業火のごとく身を焼いたであろう。しかし、自分のことだけならば、娘の優秀な頭脳はもっと洗練された手段で反撃したはずだ。
昨夜のような破壊的攻撃は、娘が大切な人を守ろうとするときに最大級に発揮される類のものだ。そして、その誰かは昔も今も同じなのだろう。夫にはそれが見えぬのか。
「何だ?」
「いいえ、ただ、オスカルが幸せになるにはどうしたらいいのか。何をしてあげればいいのか、わからなくなってしまいましたわ」
「む」
打倒オスカルに燃え、敵のアキレス情報を妻から得ようとしていた将軍は、娘の幸せだけに焦点を絞る妻の言葉にちょっとだけ怯んだ。あくまで、ちょっとだけだが。
将軍とて娘の幸せは願っている。しかし、これだけ親父の面子を潰されては、一度は一泡吹かせてやらねば収まらない。そのためには知らなければならない。今回、なぜ娘はあれほど重用している従者を使わなかったのか。その不自然さに鍵があることは確実だ。
「なぜアンドレは関与していないと言い切れる?」
この話はおしまい、と雰囲気で制している妻に将軍はかまわず畳み込んだ。
だ・か・ら。
夫人は頭を抱えたくなった。説明して理解できるくらいなら、こんなに明白な娘の行動原理を読めないはずはない。無理に説明を試みれば、変に曲解するだろう。負けたまま引き下がる性分ではないから、曲解した挙げ句に妙ちきりんな行動を起こされたら事だ。
ここは、夫に理解できる部分だけ答えておくに限る。夫人は夫の目をじっと見つめた。
「アンドレなら、我が家の年間家計費の半分を消費するような乱痴気騒ぎを見過ごすとお思い?身体を張ってでもやめさせたとお思いになりませんか?」
「は、半分・・・」
将軍は絶句する。確かに金に糸目はつけないと言ったが、まさかそこまで?ちょっと考えれば、昨日の今日で厳密な経費概算が出来ているはずはないのだが、妻のハッタリを将軍は真に受けた。
「アンドレはデュポールに付いて会計を学んで長いのですよ。だから、オスカルは彼に内緒にしておく必要があったのです」
た、確かに。今朝アンドレの姿を見たときに真っ先に思い浮かんだ台詞が『おまえがついていながら、何でこんなことになったのだ』だったっけ。ついていなかったから、こうなった。成る程ごく自然に納得がいく。
将軍は頭を抱えた。それだけの理由か?バレたらやつに止められるから?
だが、直感はアンドレにカギがある!と言っている。
「あなた」
「は、はいっ!」
夫人は柔らかく微笑んでから、夫人らしくないカツンと固い音を立ててティーカップを置いた。
「あの子は本気です。真っ正面から戦えば良くて相打ち、下手をすれば討ち取られてしまいますわ」
「な、何を!儂があの若輩者に負けるとでも申すか!」
夫人も仲良く頭を抱えた。あなたの関心はどうしても勝ち負けだけに向くのですね。父の権威でゴリ押しすれば、あの娘はそれ以上に反発します。父娘断絶を招きかねませんよ、という比喩だったのに。
「娘に勝ちたいのですか?」
「悪いか」
「負けるが勝ち、とも申します」
「むぐぐぐぐ」
「目先の勝負などさっさと若輩者に譲り、本物の勝利を勝ち取りくださいませ」
つづく (に決まってるでしょ)
国王陛下の覚えめでたき、泣く子も黙る(暴れる子は黙らないことが証明されたばかり)近衛連隊総司令官ジャルジェ将軍は、自邸宅の大階段上からエントランスホールを見下ろしていた。
花台は倒れ、絵画は傾き、タピストリーは床でとぐろを巻き、階段からホールにかけて敷き詰められたカーペットは波打ちめくれ上がり、花々の残骸や燭台が散乱する中にはなぜか婦人物のハイヒールやペチコートとおぼしき布の塊が落ちている。
そこここで片付けに忙殺されている使用人の姿が見えるが、中にはあまりの惨状に放心状態で立ち尽くしている者さえいる。
将軍は波打つカーペットに足を取られないよう階段を降り、ホールに続くボールルームに足を踏み入れた。舞踏会場となったそこはさらに惨憺たる有様だった。テーブルはなぎ倒され、クロスや銀器、料理の残骸と薔薇の花びらで床は埋まっていた。
そこでも片付け作業に取り組んでいる使用人が数人、絶望感を漂わせている。
「あ、帰って来てくれたのね、アンドレ!早く手伝って!」
背後でオスカル付きの侍女、マルタの声がしたので振り返るとボールルームの西入口から長身の青年が驚愕した表情で広間に足を踏み入れようとしていた。いつものお仕着せではなく、簡素な上着を着ている。朝帰りのようだ。
将軍は訝った。主人である自分よりも、娘へ徹底した忠義を尽くしている男のことだ。当然娘の片棒を担いでいるかと思いきや、朝帰りだと?娘は単独犯だった?
アンドレの驚き様は、将軍の推測が正しいこと物語っている。そう言えば、昨昼頃からこの男の姿を見なかったことを将軍は思い出した。
「マルタ、これは一体・・・?」
「話は手を動かしながら。ほら、早く!」
アンドレはのろのろと上着を脱ぎ、シャツの腕まくりをしながらあたりを見回し呆然としている。
「何をしでかした、オスカル・・・。これでは舞踏会じゃなくて武闘会だ」
その通り。暢気に駄洒落ている場合ではないぞ、アンドレ。あのじゃじゃ馬は儂に武器を使わぬ闘いを挑んできたのだ。守り役怠慢だぞ。
じゃじゃ馬の忠実な従者は将軍の心の声が聞こえたように振り向いた。はっと目を見開いて、さも申し訳なさそうに頭を下げる従者の様子に将軍は確信した。今回のことに『限っては』、こいつは確実にシロだ!
クロであるよりシロである方が驚きだとは。娘が父の命令を無視するならば、従者もそれに倣うことが常套化している証拠だ。つまり将軍と従者間の主従関係は事実上崩壊している。
と、いう問題を将軍は無意識に脇に置いた。娘と従者のペアがこれまでに積み重ねた業績は王家からの信頼を確固たるものにしてくれたからだ。お陰で娘を軍人に育てた酔狂者と評された将軍家の名誉は見事に挽回されたわけで。
立役者に下手に突っ込めば、虎の尾を踏むことになる。
さてさて。将軍のプライドに関わる重要な問題を脇におくことで、次なる疑問が浮かび上がった。
なぜオスカルは従者を蚊帳の外に置いたのだ。おかげで、この大惨事だ。あの男が共犯者であってくれた方が、我が娘の単独行動よりも、格段に被害が少ない形で目的を果たすことができたろうに。
いや、目的を果たされるのは困るが。
将軍は考えた。自覚している以上に娘が頼りにしている片腕の男を使わなかった理由。そこに必ず娘をやり込める突破口があるに違いない。
おのれオスカル。このままでは済まさんぞ。将軍は逆襲を誓った。
***
朝のお茶は夫人が手ずから入れてくれた。使用人は総出で邸の片付け中であり、執事デュポールは招待客に詫び状をしたためるのに忙しいからだ。将軍は妻に探りを入れた。
「アンドレをさっき見かけたが、オスカルはまだ邸におるのか?」
「そのようですわ」
「ばあやは?」
「かわいそうなほど恐縮していました。あとであなたからも労って差しあげてくださいな」
「ふむ、ばあやは知っておったか」
「オスカルの衣装のことは知っていたみたいですわね。ぎりぎりまで止めようとしたらしいですから、どうかお咎めなさらないでくださいね」
「うむ、咎めるつもりはないが、ばあやが知っていたならアンドレも知っていたろうに、なぜあいつはオスカルを諫めなかったのだ」
「あら、アンドレは全く知らなかったはずです」
夫人はさらりと断言した。その確信度は何だ?ぐいと身体を乗り出す将軍にはわからぬよう、夫人はそっとため息をついた。容易に察しはつくではないか。オスカルがこの件にアンドレを巻き込むなんて無体なことをするはずがない。
強引に進めた縁談に、娘が反発することは想定内だったが、鬼気迫る徹底抗戦の構えは想定を超える激しさだった。それが夫人にあることを思い出させる。幼い頃の娘の姿だ。
『アンドレを侮辱するやつはぼくが許さない!』
平民の子供を連れ歩くオスカルを揶揄したくも、勇気に欠ける良家の子息がよく取った手段。それは立場上抵抗できないアンドレを標的にした陰湿ないじめだったのだが、それを知った幼い娘の反撃は凄まじかった。
おかげであちこちのお宅から出禁をくらい、ねちねちと陰口をたたかれた。貴族同士のつまらない確執が夫の足を引かぬよう、鎮火のためにいろいろ根回しをしたりして結構大変だったのだ。
そんなことはつゆ知らず、『そうか、やっつけたか!よくやった息子よ!』と無邪気に喜んでいた夫のことまでついでに思い出してしまい、今更ながら腹が立つ。
田舎で育った純真さを残した当時の自分は、夫のサポートは妻の勤めとばかりに影で献身したのだ。振り返れば健気にも程があり過ぎだった。しかし、今それを蒸し返せば、情報量が夫の手に余る。今は娘の将来のことに集中すべきと夫人は耐えた。
婿取り舞踏会をぶっ潰した娘の姿と、アンドレを庇った幼い娘の姿が重なる。困ったことに、破壊威力だけは凄まじい大人バージョンが発揮されたが。そう育てたのは夫だから本望であろう。
血のにじむような30年近い研鑽を無碍にされ、女に戻れと命じられた怒りは業火のごとく身を焼いたであろう。しかし、自分のことだけならば、娘の優秀な頭脳はもっと洗練された手段で反撃したはずだ。
昨夜のような破壊的攻撃は、娘が大切な人を守ろうとするときに最大級に発揮される類のものだ。そして、その誰かは昔も今も同じなのだろう。夫にはそれが見えぬのか。
「何だ?」
「いいえ、ただ、オスカルが幸せになるにはどうしたらいいのか。何をしてあげればいいのか、わからなくなってしまいましたわ」
「む」
打倒オスカルに燃え、敵のアキレス情報を妻から得ようとしていた将軍は、娘の幸せだけに焦点を絞る妻の言葉にちょっとだけ怯んだ。あくまで、ちょっとだけだが。
将軍とて娘の幸せは願っている。しかし、これだけ親父の面子を潰されては、一度は一泡吹かせてやらねば収まらない。そのためには知らなければならない。今回、なぜ娘はあれほど重用している従者を使わなかったのか。その不自然さに鍵があることは確実だ。
「なぜアンドレは関与していないと言い切れる?」
この話はおしまい、と雰囲気で制している妻に将軍はかまわず畳み込んだ。
だ・か・ら。
夫人は頭を抱えたくなった。説明して理解できるくらいなら、こんなに明白な娘の行動原理を読めないはずはない。無理に説明を試みれば、変に曲解するだろう。負けたまま引き下がる性分ではないから、曲解した挙げ句に妙ちきりんな行動を起こされたら事だ。
ここは、夫に理解できる部分だけ答えておくに限る。夫人は夫の目をじっと見つめた。
「アンドレなら、我が家の年間家計費の半分を消費するような乱痴気騒ぎを見過ごすとお思い?身体を張ってでもやめさせたとお思いになりませんか?」
「は、半分・・・」
将軍は絶句する。確かに金に糸目はつけないと言ったが、まさかそこまで?ちょっと考えれば、昨日の今日で厳密な経費概算が出来ているはずはないのだが、妻のハッタリを将軍は真に受けた。
「アンドレはデュポールに付いて会計を学んで長いのですよ。だから、オスカルは彼に内緒にしておく必要があったのです」
た、確かに。今朝アンドレの姿を見たときに真っ先に思い浮かんだ台詞が『おまえがついていながら、何でこんなことになったのだ』だったっけ。ついていなかったから、こうなった。成る程ごく自然に納得がいく。
将軍は頭を抱えた。それだけの理由か?バレたらやつに止められるから?
だが、直感はアンドレにカギがある!と言っている。
「あなた」
「は、はいっ!」
夫人は柔らかく微笑んでから、夫人らしくないカツンと固い音を立ててティーカップを置いた。
「あの子は本気です。真っ正面から戦えば良くて相打ち、下手をすれば討ち取られてしまいますわ」
「な、何を!儂があの若輩者に負けるとでも申すか!」
夫人も仲良く頭を抱えた。あなたの関心はどうしても勝ち負けだけに向くのですね。父の権威でゴリ押しすれば、あの娘はそれ以上に反発します。父娘断絶を招きかねませんよ、という比喩だったのに。
「娘に勝ちたいのですか?」
「悪いか」
「負けるが勝ち、とも申します」
「むぐぐぐぐ」
「目先の勝負などさっさと若輩者に譲り、本物の勝利を勝ち取りくださいませ」
つづく (に決まってるでしょ)
新着コメント
COMMENT
もんぶらんさまの軽快で引き込まれる文章(今回も情景が目の前に迫ってくるようでした!)、しかも上質なコメディを何かとへこむ7月に連載で読むことができるなんて(ノ˶>ᗜ<˵)ノ
サイトをオープンされた時、毎日ドキドキしながら拝見していた頃を思い出します。
とても楽しみでなりませんが、暑さ厳しいおり、何卒ご無理なさらぬよう、ご自愛第一でお過ごしくださいませ。
サイトをオープンされた時、毎日ドキドキしながら拝見していた頃を思い出します。
とても楽しみでなりませんが、暑さ厳しいおり、何卒ご無理なさらぬよう、ご自愛第一でお過ごしくださいませ。
Roseキャベツさま
早速のコメントをありがとうございます!情景が目に浮かぶ、って才能ですよ。でもって、18世紀フランス関連の文化を目にし耳にしてきた造詣の蓄積が、ぱ~っと集約されて一つの情景になって見えるのでは?サイトオープン時からお付合い下さっていたのですよね。幸せだなあ。
お互い、健康にはより一層留意して推しを楽しみましょう!
早速のコメントをありがとうございます!情景が目に浮かぶ、って才能ですよ。でもって、18世紀フランス関連の文化を目にし耳にしてきた造詣の蓄積が、ぱ~っと集約されて一つの情景になって見えるのでは?サイトオープン時からお付合い下さっていたのですよね。幸せだなあ。
お互い、健康にはより一層留意して推しを楽しみましょう!
ああ、今年も三ヶ日だだと思って、期待に胸ときめかせオジャマさせていただいたところ、なんと新作(わ~い)
うれしくて、うれしくて、もう3回もくり返し拝読しました!
いつも、いつも、もんぶらん様のおはなしから、しあわせをいただいてばかりです。
うれしくて、うれしくて、もう3回もくり返し拝読しました!
いつも、いつも、もんぶらん様のおはなしから、しあわせをいただいてばかりです。
ゆささま
お正月やクリスマス以上に、1年の節目が来た感画ありますよね、三が日。
更新滞っても、こうして動きがあると即反応して下さる読者さんがいて、わたしもしあわせを頂いています。有り難うございます。暑さにメゲズ、7月後半走り抜けます!
お正月やクリスマス以上に、1年の節目が来た感画ありますよね、三が日。
更新滞っても、こうして動きがあると即反応して下さる読者さんがいて、わたしもしあわせを頂いています。有り難うございます。暑さにメゲズ、7月後半走り抜けます!
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